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心を読む ボディランゲージが示すあなたの無意識

 長年FBI捜査官として活躍された著者による、ボディランゲージリーディングの体系本のまとめ記事です。前回「視線から相手の好悪感情を読み解く」というお話を投稿しましたが、同様の話をより踏み込んで論じているのが本書になります。

 

terantera.hatenablog.com

 

 

 本書で推奨しているコミュニケーション戦略を簡単にまとめると下記となります。

  1. 相手の癖を分析
  2. 癖ではない特異サインを探す(快適サイン・不快サイン)
  3. 前後の文脈からサインの示す感情を読み取る

 コールドリーディングに興味をお持ちの方には、より実践的なコミュニケーション戦略に触れられるという点で本著をおすすめします。

 

目次

  1. 快適・不快のサイン
  2. 3つのF
  3. なだめ行動
  4. 快適を表すサイン
  5. まとめ

 

1. 快適・不快のサイン

 まず、何故快適・不快のサインを探す必要があるのかから説明します。簡単にいいますと、人の心は複雑すぎて、ちょっとしたしぐさから相手の気持ちを正確に汲み取ることは不可能だからです。そのため、大まかに相手の感情を仮定し、そこから更に細かく仮説検証していくことを著者は推奨しています。そのために最初に当てつけるおおよその感情として確度が高いのが、快適・不快の2択なのです。

 脳科学者のポール・マクリーンは人間の脳を「脳幹(爬虫類脳)」「大脳辺緑系(哺乳類脳)」「大脳新皮質(人間脳)」の3つに分類しました。普段の我々の理性は人間脳たる大脳新皮質によって制御されています。一方で動物としての本能を動かしている大脳辺緑系は、私達が生存競争に勝ち残るために無意識的に私達の感情や生理機能に影響を及ぼしています。私達が相手にかける言葉や表情などは人間脳を介して表出しています。そして人間脳というのは非常に頭がイイので、嘘を使いこなします。多くの人は、この人間脳経由の情報を情報源としているので、相手の気持ちがわかったりわからなかったりするのです。著書のコミュニケーション戦略は、人間脳ではなく、哺乳類脳たる大脳辺緑系を経由して現れるしぐさから快適・不快のサインを判別し、その後の推測・想像のフローに進もうというものなのです。

 

2. 3つのF

 まずは不快を表すサインから入ります。それは、大脳辺緑系がより強力に機能するのは、人が不快(ストレス)を感じている時だからです。そのため、快適を示すサインよりも不快を示すサインの方が見抜きやすいのです。

 不快感を感じている時の反応は大きく3つに分けられます。「Freeze(固まる)」「Flight(逃げる)」「Fight(戦う)」です。これらの反応は動物として、自分の生命を守るために、未だに人間に残っている本能的反応です。そのため、これらのしぐさを相手が見せるときは、相手が本能的危険(少々大げさですが)を感じている瞬間であり、相手は間違いなく不快な気持ちを持っています。

 

 下記に3つのFがどのようなしぐさとして現れるか具体例を挙げたいと思います。

☆Freeze
  • ビックリして食事していた手を止める
  • 固唾を飲んだり、呼吸がひどく浅くなる
  • 唇が閉まる、隠れる
  • 突然立ち止まる
  • 肩を持ち上げ頭を低くする(首を隠す)
  • 手を固く握る(祈りのポーズ)
☆Flight
  • (何かから)身をそらす
  • 身体の前面を相手から背けて立つ・座る
  • 腕を突然引っ込める
  • 膝の上に物を置く
  • 足先を一番近い出口に向けて置く
  • 足先を相手から背けて立つ
  • 両脚の膝を握り、重心を前に置く
  • 椅子の足に自分の足を絡めて固定する
  • かかとを上げて立つ
  • 目を細める、目を閉じる、こする、顔の前に手を置く(相手を視界から遮断する)
☆Fight
  • 暴力的な行為/言動を取る
  • 両足を開いて座る(領土の主張)
  • 手を後ろに組んで立つ(権力の主張)
  • 腰に手を当て、肘を張る
  • 相手側に位置する足を組んで座る

 

3. なだめ行動

 不快を示すサインは2種類あり、一つが上記のような現在進行形で相手が不快感を感じているサイン。もう一つが、相手が不快な気持ちを紛らわせ、通常の状態に戻ろうとする切替のサインです。なだめ行動はこの切替のサインのことです。

 

 なだめ行動がどのようなしぐさとして現れるかの具体例を下記にまとめます。基本的に何かを触る行動が該当します。

☆顔・首の一部触れる
  • 無意識に喉元を触れる(不安・恐怖・心配をなだめる)
  • 額をこする(何かに苦しんでいるサイン)
  • 首を触る(不安・疑いを感じているサイン)
  • 頬や顔を触れる(ドキドキ・イライラ・心配をなだめる)
  • 髪の毛をいじる
  • 唇を舐める
  • まばたきやまぶたの震え
☆物を触れる
  • ネックレスを弄ぶ(喉元を触れるのと同様)
  • ネクタイを直す(喉元を触れるのと同様)
  • ガムを噛む
  • タバコを吸う
  • ペン・腕時計を弄ぶ
☆胴体を触る
  • 膝を擦る(緊張をほぐす)
  • 腕を交差させ、肩をこする(身を守って安心感を得ようとしている)
  • 爪を噛む
  • 手を揉みあわせたり、指を組み合わせる

 

4. 快適のサイン

 快適な状態とは「生命の危機」を感じていない状態をなので、相手に対して弱点を晒していたり、すぐに回避行動に移れないような状態を取っている時に読み取れます。そういった準備をしなくても、自分の生命が脅かされることはない。それだけの信頼をあなたに対して寄せているということなのです。そこに加えて「重力に逆らう」のも快適なサインの特徴です。これは喜びの興奮を抑えきれない状態を示しています。

 

 快適なサインの具体例を下記にまとめます。

☆弱点を晒す
  • 足を交差して立つ(すぐに動くことが出来ない体制)
  • 片足に重心を乗せて、傾いて立つ(すぐに動くことが出来ない体制)
  • 相手側と反対側に位置する足を組んで座る
  • 身体の前面を相手に向ける
  • 相手に対して前かがみに座る
☆脱力
  • 尖塔のポーズ(両手を広げて、指の間を閉じないで指先同士を合わせる)
  • 頭を傾ける
☆重力に逆らう
  • 小刻みに動いたり跳ねたりする足(興奮を抑えきれない)
  • つま先を立てて立つ
  • 手を組む時に親指を立てる

 

5. まとめ

 本書ではこれらのしぐさを実際の写真を用いて説明してくれています。より相手のサインを見つける手助けとなってくるでしょう。

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

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